【CK3】アイルランドの歴史1 ~ロールプレイ用

Crusader KingsⅢをアイルランド諸侯でロールプレイして楽しむために、中世アイルランドの歴史を中心に簡単にまとめました。

アイルランドについて

CK3の公式チュートリアル国家はアイルランドの名家オブライアン家(ゲーム内でブリアン家)です。

この記事を読まれている方は日本人だと思いますが、アイルランドについてどの程度知っているでしょうか?

私の持っていた知識は、アイルランドの北部は北アイルランドとしてイギリスの一部であり、アイルランドは大英帝国と独立戦争を戦い、近年までIRAと呼ばれるテロ組織が北アイルランドに存在したという歴史くらいでした。他には、ジャガイモ飢饉が起こった地、ラグビーが強いとか、競馬が盛んで馬が多く繁殖していそうなイメージを持っていました。

義務教育でアイルランドがフォーカスされることもありませんでしたし、大学の文系講義で欧米に関する歴史を扱った講義を受講しましたが、ほとんどの内容がアメリカに関するもので(欧はどこいったんだよと突っ込みたかった。シラバスをきちんと読んでいない自分が悪いが)”アイルランド”という単語は一度も聞くことがなかったと記憶しています。

ほとんどの日本人も同じような知識量だと思います。

そのような日本と縁遠いアイルランドに関して、本やWikipediaを基に、CK3をロールプレイする上で助けになることを目的にして、特に9世紀頃から16世紀頃までのアイルランドの歴史に関して簡単にまとめたいと思います。

アイルランド 風景

ヴァイキング侵略前までのアイルランド

アイルランドは、紀元前600年以降にケルト人と呼ばれる南ドイツ周辺を原住地として、そこから東西にヨーロッパへ拡大していった民族が渡来したことによってケルト化が進み、現在でいうゲール人が誕生しました。

ケルト社会は、無文字社会であり、”オークの賢者”を意味するドルイドと呼ばれる祭司が宗教だけでなく社会全般に影響力をもった社会でした。

その後は、ローマ帝国の領土外ではありますが、交易などを通じてブリテン島や地中海世界とも交流があったと考えられています。

ケルト文化が根付いていたアイルランドですが、5世紀の内に聖パトリックなどが主にアイルランド北部でキリスト教の布教に成功したため、キリスト教化が一気に進みました。(この聖パトリックはアイルランドの守護聖人だそうです)

この後のヴァイキング侵略を受けるまでの3世紀間、アイルランドは”聖者と学徒の島”と呼ばれるほどにキリスト教の黄金期を迎えました。

ヨーロッパでは、5世紀からの数世紀はゲルマン人の大移動が起こり大混乱に陥りますが、アイルランドは地理的に海を挟み遠かったためか、ほとんどゲルマン人の大移動の影響を受けずに済んだようです。

このため、9世紀から始まるヴァイキングによる侵略までは地元支配者の庇護を受けた修道院を中心に経済活動が活発になり、豊かな社会を営むことができていました。

CK3のロールプレイ的には、特に宗教をケルト教にするかキリスト教にするか迷うところではあります。キリスト教化して欧州各国と同一の宗教の元で豊かな生活を送るのか、それとも独自路線のケルト教を広めるのかはロールプレイのし甲斐がありそうです。

9世紀頃からのヴァイキングによる侵略

しかし、宗教的・社会的に豊かな生活を送れていたアイルランドに北方からの侵略者ヴァイキングが到来します。

侵略に成功したヴァイキングは、現在のアイルランド共和国の首都ダブリンや南部のウォーターフォード、南西部のリムリックなどの都市で定住することとなります。(CK3のダブリンのある伯爵領がヴァイキングのノース文化となっているのはこのため)

ヴァイキングは侵略者として悪者に見られがちですが、ヨーロッパ各地との流通網を持っていたためにアイルランドに通貨が多くもたらされ通貨が普及したことや、アイルランドに定住したヴァイキングは当時のアイルランドの言語のゲール語を数世代で覚え、キリスト教徒となったことで原住民との同化がかなり進んでいたことが分かっています。

統治の面に関しては、北東部アルスター、北西部コナハト、南東部レンスター、南西部マンスターそれぞれに地方王が存在し、中部のミーズ地方のタラの丘を居所とするアイルランド上王が存在はしていました。

しかし、実際は地方王による支配がそれぞれの地域に及んでいたわけではなく、地方内の複数の小地域王がそれぞれの小地域を支配し、その最有力者が地方王の座にあっただけでした。

小地域王同士や、地方王の座を巡って争いも絶えなかったそうです。

アイルランド上王も宗教的権威として存在しているのみで、アイルランド全土を支配している状態ではありませんでした。

アイルランドの統一を目指したブライアン・ボル

10世紀頃には、ヨーロッパ各地で封建制度(主君が家臣に封土を与え保護し、家臣は主君に奉仕する制度、CK3プレイヤーなら説明不要だろうが)が広がり始めます。

アイルランド内では、南西のダール・カシュ族出身のブライアン・ボル(CK3の公式チュートリアル国家ブリアン家の始祖:こちらの記事で詳しく触れています)がアイルランドを統一し、名前だけでなく真のアイルランド統治者アイルランド上王になろうとします。

11世紀の1010年頃には、アイルランド全土のほぼ全ての小地域の王がブライアン・ボルの権威を認めるにまで至りますが、それもほんの数年の間でした。

1014年、反乱した南東部レンスター地方の王がヴァイキングと連合軍を結成しダブリンに集結しました。

この反乱連合軍を相手に、ブライアン・ボルはクロンターフの戦いで勝利を収めますが、自身とその子供達と共に死亡してしまいました。(ブライアン・ボルの子供のうち、生き残ったドナハの子供ムルハダがCK3の公式チュートリアルの主人公です)

こうして、アイルランドを統一し現実にアイルランドを統べるアイルランド上王を戴く、という野望を果たせる人物は今後現れることはありませんでした。(江戸時代がミラクルピースと言われるのも、こうした欧州の歴史を学ぶことで理解できるようになってきた気がします)

アングロ・ノルマン人によるアイルランド征服

10世紀頃から、封建制度の出現と同時に有輪犂や豆類の栽培といった農業イノベーションの導入と共に、ヨーロッパ各地が豊かになっていきました。(中世の世界気温の温暖期と重なっているのも有名な話ですね)

豊かになった人々はそのパワーを外に向け始めます。歴史的にも、Crusader KingsⅢでも重要なシステムとなっている十字軍遠征がその最たる例です。

ブリテン島も例外ではなく、島外に目を向け始めることとなります。

ご存じの通り、1066年にノルマン・コンクエストによってノルマン人による王朝がブリテン島内に誕生します。

1166年には、当時レンスター王であったディアルミド・マク・ムルハダが政敵に追われて国外へ追放されてしまいます。彼は、イングランド王ヘンリ二世(プランタジネット朝)に助力を乞います。

ヘンリ二世はこの要請を聞き入れ、臣下で応じるものには加勢することを許可します。

ヘンリ二世の臣下でディアルミド・マク・ムルハダに助力を行ったのは、内戦を経て敵同士であったためにヘンリ二世と関係の悪かった南ウェールズのストロングボウなどのノルマン系領主たちでした。

ディアルミド・マク・ムルハダとストロングボウらはアイルランドへ赴き、ディアルミド・マク・ムルハダはレンスター王位を1167年に奪い返しました。

ストロングボウはレンスター王となったたディアルミド・マク・ムルハダの娘を娶っていたので、ディアルミド・マク・ムルハダの死後1171年にレンスター王位を手に入れました。

こうして、アイルランドにノルマン人をルーツにもつ地方王が誕生し、イングランドによるアイルランド支配のきっかけが築かれてしまいました。

アイルランド南東部のレンスター王位を得たノルマン系の領主ストロングボウがアイルランドに強力な拠点を築くこととなりましたが、これを良く思わない勢力がいました。当時のイングランド王ヘンリ二世です。元々内戦を経て敵同士であったために関係の悪かったストロングボウが強力な勢力となろうとしていることを脅威に感じたため、ヘンリ二世は自ら軍を率いてアイルランドへと渡ることを決断します。

1171年に、ヘンリ二世は大軍を率いてアイルランドへ遠征し、先住のケルト系の諸王やストロングボウ含むノルマン系の領主にヘンリ二世をアイルランド卿(Lord of Ireland)として認めさせ、忠誠の誓いを立てさせました。これにより、アイルランドにおけるイングランド王室による約8世紀もの間続く支配が確立されました。

この後、イングランドの統治制度がアイルランドに導入され、ダブリンが首都に定められることとなりました。

イングランドの制度に加えて、11世紀後半から13世紀半ばまで、人口増加の続いていたイングランドの農民たちが多くアイルランドに移住するなどして、アングロ・ノルマン人による植民が行われました。

アイルランド内の人口増加に伴って、中規模の都市が急激に成立するなど、経済的にも好況となった側面も存在します。

CK3のアイルランドでのロールプレイについて

この後、なんやかんやありながらもイングランド王室による支配が続き、1916年の独立戦争へとつながっていくのですが、長くなりすぎてしまったので、時間のある時にアイルランドの歴史2としてまとめたいと思います。

CK3においてロールプレイをする上で必要な情報はほとんど調べることができたと考えています。

ここまでの内容で私の感想としては、ブライアン・ボルがアイルランド統一した後に安定統治できていれば大分違った歴史が紡がれていたのではないかと思いました。

ただし、当時の世界では国家としてのアイデンティティが確立する前なので、やはり安定統治を行うのは不可能だったのでしょうが。

今現在のアイルランドはアイルランド共和国と英国の一部である北アイルランドに分かれています。センシティブな部分にはなってしまいますが、CK3のロールプレイ的にはアイルランド諸侯でゲームを進めるならば、是非ともイングランドの支配に抗ってアイルランドの統一と安定統治を成し遂げてみたくなるのではないでしょうか。

いっそ、ブリテン島に逆侵攻してみるのも面白いですが、イングランドは非常に強力なため困難な侵攻必至です。

推計ですが、1100年時点の人口はアイルランドが40万人でイングランド・ウェールズが175万人なので、現実世界では逆侵攻はちょっと厳しそうですが。

CK3 アイルランド帝国版図

参考文献

”図説 アイルランドの歴史” 山本正 2017

WIkipedia

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