そもそも城は必要なのか
中世の国防において、必要な軍事拠点でした。
平時には、国内外へ力を誇示するための建築物としての役割を果たした一方で、戦争時には兵士の拠点として機能しました。
侵略側の軍がもし道中の城を無視して侵攻したのであれば、城に配備されている兵士は補給路や背後の脅威となり続けてしまうため、無視されることはほとんどありませんでした。
つまり、有効的な城を建築しておくことで侵略側に城を攻めさせることを強制させて、防衛側は反撃の準備を整える時間を稼ぐことができました。
中世の城の構造
堀
城壁の手前に、堀と呼ばれる溝が作られます。
通常は空堀で水を満たしていない場合が多かったのですが、中には水を満たしてある城もあります。
下の画像は、世界遺産のウェールズのボーマリス城の堀です。
外壁
カーテンウォールとも呼ばれる堅固な城壁です。
二重に城壁を建築する場合の外側の城壁のことで、内側の内壁よりも低く建築されます。
内壁よりも外壁の方を低く建築することで、外壁を占領されたとしても、内壁から引き続き有利に戦うことができます。
下の画像もウェールズのボーマリス城ですが、水堀に面した外壁が内壁よりも低いことが分かります。
胸壁
胸壁とは、城壁の上部に建築される凹凸状の壁です。
城壁の上部や、塔の上に作られます。
弓の射手などが身を隠しながら矢を放てるため、単純ながら機能性に優れています。
塔・突出部
カーテンウォールは塔などによって区切られていました。
塔は360度見渡すことが可能で、内部からの攻撃も可能なように狭間がありました。
参考文献
”中世ヨーロッパ 攻城戦歴史百科” クリス・マクナブ、岡本千晶 2022年