【CK3】イタリア諸侯プレイ時の予備知識

Crusader KingsⅢをイタリア諸侯でプレイするときに抑えておきたい知識をまとめました。

ローマ帝国の版図

ローマ帝国の最大版図はこちらになります。(神聖ローマ帝国とは違います)

西暦117年のローマ帝国版図(赤:ローマ帝国皇帝トラヤヌスの領地、ピンク:家臣の領地)©Tataryn CC BY-SA 3.0 , via Wikimedia Commons

ゲームでも治めるのが大変なほどの広大な範囲を手中に収めており、東はペルシャ湾にまで達していました。

この頃は、約200年続いたローマによる平和を意味する”パクスロマーナ”の時代でした。

イタリア諸侯でプレイする際は、多くの方がこの強大なローマ帝国を目標にプレイするのではないでしょうか。

ローマ帝国の政治制度と征服

元々は君主がいる政体でしたが、市民が貴族と同等の権限を持つまでに至った共和制でした。

特徴的なのは、共和制でありながら元首に強大な権限が与えられ、実質的な帝政へと変遷していったことです。その強大な版図を誇る中で、近代にも通じる市民権法制化などの法制度を整備したことも大きな特徴です。

ローマ帝国は、残念ながらファシズムにおいて強大な帝国を目指すためのプロパガンダとして用いられた過去があるために、征服してローマ化を押し付けたようなイメージを持っている人がいるかもしれませんが、実際は真逆で、征服した文化や言語を尊重してローマの文化を強要することはありませんでした。

CK3でローマ帝国復興を目指すのであれば、他文化に対する尊重もしっかりと真似したいところです。

イタリアという名称

イタリアという名称は、5世紀のローマ帝国崩壊後の教皇領や現イタリア北部の都市国家が存在する地域を指した名称です。つまり、元々イタリアに単一国家としての意味はありませんでした。イタリア統一運動時に、”イタリア王国という何か”に都市国家群をひとまとめにしたために、今日ではイタリアと呼ばれています。

わかりやすい例えは、EUです。それぞれドイツやフランスといった各国のアイデンティティを持ちながら、EUという共同体を形成しています。この共同体の概念に近いのが”イタリア”です。

それだけ、各都市に対する愛着や帰郷意識が強い国民性だというのが伺えます。

中世のイタリア

395年のローマ帝国分裂後、東ローマ帝国はビザンチン帝国になり西ローマ帝国はゲルマン民族の侵入に脅かされ続け、求心力を失った西ローマ帝国は滅亡します。

1100年頃は、イタリア王国(現在のイタリア共和国北部)は神聖ローマ帝国の一部として存在していました。しかし、実際はイタリア国王はおらず、都市国家が乱立している状態でした。

神聖ローマ帝国皇帝がイタリア王国を直轄領にしようとしたことがありましたが、イタリア都市国家群は1167年にロンバルディア同盟を組み対抗します。下の図を見てもわかる通り、いくつもの都市国家が存在する状態でした。

ロンバルディア同盟の参加都市一覧©Medhelan CC BY-SA 4.0 , via Wikimedia Commons

最終的にイタリアが統一されるのは、他のヨーロッパ諸国よりも遅い1861年になります。それまでは、都市国家が乱立している状態が続き、各国の影響化で都市国家同士が争う代理戦争の場になってしまいます。

しかしながら、この都市国家が乱立する状態はイタリア人らしい状態とも言えます。イタリア人は、イタリア国民である前にローマ人、ミラノ人、ナポリ人だと言われるほど、都市に対する愛着が非常に強い国民であるためです。

現在のイタリア

現在のイタリアは、共和制です。つまり、君主がいない政体です。

CK3をプレイしていると、サルデーニャ・コルシカ王国の習慣的領土であるコルシカ島がイタリアの一部だと誤解してしまいそうになりますが、現在はフランス領です。しかし、南側のサルデーニャ島はイタリア領です。(歴史についても調べて書こうかと思いましたが、思ったより複雑だったので省きます)

CK3 サルデーニャ島とコルシカ島

イタリア国旗

イタリア共和国の国旗は、緑・白・赤の三色から成る国旗です。

最初にこの三色旗が使われたのは、1797年にナポレオン影響下にあったイタリア北部のチスパダーナ共和国です。

イタリア統一運動時は、この三色旗が運動のシンボルとして用いられました。

そして、サヴォイア家がイタリア王家となったイタリア統一後は、イタリア国旗の中央にサヴォイア家の紋章が入っていました。(HoIでは見慣れた国旗ですが)

イタリア王国国旗(1861-1946年)©F l a n k e r CC BY-SA 2.5 , via Wikimedia Commons

イタリア国旗の変遷を見るだけで、サヴォイア家の紋章がなくなり、君主制から共和制に変わったことがわかります。

CK3でイタリアのifを楽しむのであれば、サヴォイア家のイタリア王国旗のようにイタリアの三色旗+家の紋章を使うことで、一目でイタリア王国ないしイタリア帝国だと理解できます。

CK3_Canossa-Italy_flag

CK3内のディシジョン

”イタリアの統一”と”ローマ帝国の復興”の決断があります。

イタリアの統一は、イタリア地方(イタリア王国・ロマーニャ王国・シチリア王国・サルデーニャ・コルシカ王国領土)とイリュリクム地方(クロアチア王国・セルビア王国・バイエルン王国の一部)を勢力下に置いたときに、その領土をイタリア帝国の慣習的領土へ変更します。(シチリア島の南にあるマルタ島を忘れないように注意

ck3 Italy empire

ローマ帝国の復興は、イタリアの統一後にビザンツ帝国やファーティマ王国領土などを支配下に置いたときに、イタリア帝国をローマ帝国に置き換えます。

この2つを目標にプレイするのもいいかもしれませんし、西暦117年のローマ帝国の最大版図復活を目指すのも大変ですが、楽しい目標になると思います。

ローマ帝国再興後は、”ドイツの僭称者を解体する(Dismantle German Pretenders)”という決断を目標に、ローマ帝国の僭称者を攻略しに行くことができる決断があります。

他にも、ローマ帝国の復興後に発生条件を満たすことができる”大分裂の修復(Mend the Great Schism)”の決断があり、この決断後はカトリックは東方正教を敵対的とみなすために、聖戦を宣言することができます。

参考文献

”イタリアを知るための62章” 村上 義和 2013年

”イタリア文化55のキーワード” 和田忠彦 2015年

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